アメリカ

ジョン・アップダイクから若い作家へのアドバイス「一日一時間書きなさい」

2004年6月、アメリカの作家ジョン・アップダイク(1932~2009年)はアカデミー・オブ・アチーブメント(若い世代の活動支援を行う非営利団体)のインタビューに応じた。 広範囲に及ぶ話題の中でアップダイクは、まだ活動を始めたばかりの作家へのアドバイス…

エドガー・アラン・ポー フェイクニュースと「クーピングによる死」という2つのエピソード

アメリカ文学の父(の一人)であるエドガー・アラン・ポーにはさまざまなエピソードが残されているが、以下の2つは特に興味深い(文学とはほとんど関係のない話)。 フェイクニュース 1844年、エドガー・アラン・ポーは「New York Sun」紙上で、大西洋横断飛…

オースティンからローリングまで 文豪16人が愛用した文房具あれこれ

どの世界のプロたちも自分の「商売道具」には強いこだわりを示す。文学の世界もまたしかり。世界の文豪たちはどんな文房具を愛用していたのだろうか。 ウラジミール・ナボコフ ナボコフはインデックスカードに自分の小説の筋書きを描く際は、鉛筆「Eberhard …

ノーム・チョムスキー90歳 その政治批評の略歴と今でも衰えぬ鋭い批判

// ノーム・チョムスキーは1928年12月7日生まれ。2018年12月で90歳を迎えた。 いわゆる「生成文法」を提唱する言語学者として確立した名声を誇る一方、同時代の政治状況に常に積極的に発言を続けてきた人物である。 チョムスキーは無政府主義者で社会主義者…

スコット・フィッツジェラルドが薦める「22冊の本」

// 1936年は、スコット・フィッツジェラルドにとって最も暗い年であったかも知れない。 心の病に苦しんでいた妻のゼルダを近所にあるハイランド病院に移し、彼自身はアシュヴィルのグローヴ・パーク・インというホテルに滞在し始めた。 当時、フィッツジェラ…

ジャック・ケルアック本人がデザインした『路上』の表紙

// 数あるジャック・ケルアックの伝記の中でも、彼の絵描きとしての才能について言及したものはほとんどない。 しかし、執筆活動を続ける傍ら、ケルアックはスケッチをし絵を描き続けており、著作とともに数多くの絵も描き残しているのである。 2017年末から…

トルストイ、フォークナー、ヘミングウェイ・・・世界の文豪たちが語る「執筆のためのアドバイス」

// トルストイ 「私はいつも午前中に執筆活動を行う。ルソーも朝起きて短い散歩を終えると、すぐに机に向かい仕事を始めていたことを最近になって知り、喜んだものだ。午前中は人の頭がとくにフレッシュな状態にある。最高のアイデアというものは、朝起きて…

マーク・トウェインは奴隷制廃止論者 or 支持論者?

// ヘンリー・デイヴィッド・ソローの研究家として知られているRobert Sattelmeyerは、「ボストン・ヴィジランス・コミッティ」(Boston Vigilance Committee)の名簿上に、ある名前を発見した。 それは「サミュエル・クレメンス」(Samuel Clemens)という…

フィリップ・ロス 20世紀後半のアメリカを代表する大作家の足跡を追う

// フィリップ・ロスは1933年、ニュージャージー州ニューアークに生まれた。ニューアークはのちに彼の多くの作品の舞台となった場所である。 両親はヨーロッパからの移民で、中産階級のユダヤ人であった。 ロスはシカゴ大学で英文学の修士課程を修め、短編小…

ヘミングウェイが作家を目指す人に推薦した16冊の本

// 20世紀のアメリカを代表する作家のひとりであるアーネスト・ヘミングウェイが、自分をしたっている若い作家に対し文章を書く方法についてアドバイスしたことがった。 その時「これらの本を読まなくては勉強が終わったとは言えない」といって16冊のの本を…

ノーム・チョムスキーが2010年に予想し、恐れていた "トランプ大統領の誕生"

// 2010年4月、ノーム・チョムスキーはアメリカの将来について暗い見通しを示していた。 しかし当時はその発言は大きく注目されることはなかった。 アメリカでドナルド・トランプが大統領となった現在、チョムスキーのあの発言は残念ながら正しかったという…

詩人シルヴィア・プラス 手紙から見えるその波乱の人生

アメリカの詩人シルヴィア・プラスは30歳の若さで死去した。 その短い生涯の中で、200編を超える詩のほかにラジオ劇、子供向けの本、短編、日記や回想録、小説、などを残している。 くわえて、彼女は長期間にわたる日記、家族や友人らに宛てた大量の手紙も残…

ゼルダ・フィッツジェラルドの波乱万丈な人生

ゼルダ・フィッツジェラルド。 アメリカの作家スコット・フィッツジェラルドの夫人である。 // 彼女はいわゆる最初の「イット・ガール(It Girl)」であったと言われている。 テーブルの上で踊ったり、パーティー会場で服を脱ぎだしたり、友人の時計をふざけ…