自己管理にとりつかれたトルストイの「10のルール」
【自分の中の悪魔と戦うトルストイ】
トルストイはベンジャミン・フランクリンが自伝に書き記したいわゆる「十三徳」に触発され、自分が生きる上で必要とする無数のルールをつくり出した。
その中には、たとえば「10時にベッドに入り5時に起きる」「2時間以上昼寝をしない」「食事は適度にすませ、甘いものは避ける」など今日の基準で見ても実践しやすいものが含まれている。
しかしほかのルールは、トルストイが自分の中にいた悪魔と生涯にわたって戦っていたことを物語るものがある。
「売春宿には月に2回以上行かない」などというものもあるし、また若かったときのギャンブル癖を治そうとする内容のものも含まれている。
【記録魔だった?】
10代の終わりから、継続的にではないものの、トルストイは一日の細かい記録をつけ始めた。
一日の時間の過ごし方を詳細に記録し、翌日をどう過ごすかキッチリと予定を立てた。
そしてそれだけでは物足らないとでもいうように、自分が犯した倫理的な失敗を長々とリストアップしていったのである。
さらに音楽の聞き方からトランプのやり方まで、あらゆることについての案内書をつくり出すことまでしている。
(5 Things You May Not Know About Leo Tolstoy - History Lists)
【トルストイの「10のルール」】
なお、トルストイが生活の10のルールとして書き残したのは以下のとおり。
私たちの生活でも使えるものがあるかも知れない。
- 朝5時に起きる。
- 夜9~10時に寝る。
- 少なめに食べ、甘いものは避ける。
- 何でも自分自身でやるように努める。
- 自分の人生の最終目標を持つ。人生のある時期についての目標、もう少し短い期間の目標、一年間の目標、毎月の目標、毎週の目標、毎日の目標、1時間ごとの目標、1分ごとの目標。大切な目標のためには、重要性の低い目標を犠牲にせよ。
- 女性とは距離を保つ。
- 仕事に打ち込んで欲望を抑える。
- 善良になる。しかし他人にそれを知られないように努める。
- つねにお金をかけずに生活する。
- 今より10倍の富を手に入れても、生活は何も変えない。
(10 "Rules of Life" from Tolstoy. What Are Your Rules? | Psychology Today)