パスカルが『パンセ』に記した「相手を説得する方法」

// ブレーズ・パスカルは、言わずと知れた17世紀のフランスの哲学者・数学者である。 彼の書き残した文章の断片を集めた『パンセ』には、今を生きる私たちにとって役に立つあるコツが示されている。 それは「相手の考えをあらためさせる方法」。 パスカルは…

『パディントン』原作者マイケル・ボンド 亡くなる半年前のインタビュー「いつも朝9時には机に向かっているよ」

// 以下は2016年12月24日、イギリスの新聞「The Guardian」のウェブサイトに掲載されたマイケル・ボンドのインタビューである。 www.theguardian.com 『パディントン』の原作者であるボンド氏は2017年6月27日に91歳で亡くなっているが、半年前のこの記事でも…

ドストエフスキーってこんな人 あらためて学ぶ10の予備知識

// 25歳で最初の本を出版した ドストエフスキーの人生は恵まれたスタートを切ったといえる。裕福な家庭に生まれ育ったため、若いうちにしっかりとした教育を受けてきた。しかし作家になるための勉強を積み重ねていたわけではなかった。陸軍工兵学校に入学し…

アルベール・カミュ『異邦人』 あらすじ

// 母の死の知らせを受けたムルソーは養老院に向かい、葬儀に出席する。しかし彼は親が死んだことに対する悲しみをまったく表さない。母親の遺体を見たいかと問われても断り、さらには棺桶の前でタバコを吸いコーヒーを飲み始める。自分の感情を表に出すこと…

アルベール・カミュ『異邦人』についての豆知識

// 『異邦人』はフランスの作家アルベール・カミュによる1942年の小説である。カミュの思想である「不条理」と「実存主義」をテーマとした小説であるとみなされている(カミュ本人は自身の哲学が「実存主義」と呼ばれることには反発している)。 小説の主人…

1955年7月の新聞が報じる「ラッセル=アインシュタイン宣言」

// 以下は、イギリスの新聞「The Guardian」が1955年7月11日に報じた「The Russell-Einstein peace manifesto」のアーカイヴ記事である。 www.theguardian.com アルベルト・アインシュタインは亡くなる数日前、バートランド・ラッセル卿とともにある宣言に署…

詩人シルヴィア・プラス 手紙から見えるその波乱の人生

アメリカの詩人シルヴィア・プラスは30歳の若さで死去した。 その短い生涯の中で、200編を超える詩のほかにラジオ劇、子供向けの本、短編、日記や回想録、小説、などを残している。 くわえて、彼女は長期間にわたる日記、家族や友人らに宛てた大量の手紙も残…

『星の王子さま』の背景を読み解いて作者サン=テグジュペリについて知ろう

1. 砂漠「君は空から落ちてきたのかい?」 これは星の王子さまがパイロットに向かって投げかける質問のひとつ。じつはこの「空から落ちる」というのは、サン=テグジュペリ本人が経験していたことだった。 23歳の時、彼は初めて墜落事故を起こし、頭蓋骨を骨…

ディケンズの作品に影響を与えた3人の女性たち

// チャールズ・ディケンズがまぎれもない天才作家であることは誰もが認めるところである。 しかし同時に、彼はつねに傷ついた心を癒し続けながら、報われない愛を求め続けた人物でもあった。 元をたどると彼の父親ジョン・ディケンズからそれは始まっていた…

詩人ジョン・キーツの生涯について知りたい

// キーツは25歳という若さで亡くなった。 それにもかかわらず、彼はイギリスの最も偉大な詩人のひとりであり、ロマン主義の重要人物とみなされている。 若く、美しく、運命に翻弄された詩人の典型的な存在としてイギリス文学にその名を残しているのである。…

トルストイの妻ソフィア 『戦争と平和』完成への貢献と幸福ではない結婚生活

// 1862年、34歳のトルストイは18歳のソフィアと結婚した。ソフィアは医師の娘で、二人は知り合って数週間で結婚している。 同じ年、トルストイは後に『戦争と平和』として完成されることになる作品を書き始めた。 1865年に最初の草稿が完成。ほぼ同時に、ト…

シャルル・ボードレール 没後150年 『悪の華』の詩人のスキャンダラスな人生

もしシャルル・ボードレールがもしこの現代に生きていたら、彼はロックスターになっていただろう。ジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリックスなどと同じく苦しみの人生を送った天才であるボードレールは、彼の持つ創造の熱意によって身を滅ぼしてしまうは…

シェイクスピアはゲイだったという有力な説

文豪ウィリアム・シェイクスピアはゲイだったのではないか、とロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのアート・ディレクターが語った。 シェイクスピアのセクシュアリティについては長い間議論が続いてきた。 今回ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC…

グーグル・ドゥードルに登場したヴィクトル・ユーゴーってどんな人?

// 6月30日のグーグル・ドゥードルに登場したヴィクトル・ユーゴーは『レ・ミゼラブル』や『ノートルダム・ド・パリ』の作者として知られているフランスの作家である。 ロマン主義の詩人であり、また劇作家でもあった。 フランス国外では、ユーゴ―は小説の作…

心の健康のためにはやはり読書が一番

// 以下は Germaine Leece というセラピストがイギリスの新聞「The Guardian」に寄せたエッセイの要約。 読書がいかに心の健康に役立つかが述べられていて興味深い。 www.theguardian.com 文学が人を慰め、癒し、心を豊かにしてくれる、ということは、実は紀…

ゼルダ・フィッツジェラルドの波乱万丈な人生

ゼルダ・フィッツジェラルド。 アメリカの作家スコット・フィッツジェラルドの夫人である。 // 彼女はいわゆる最初の「イット・ガール(It Girl)」であったと言われている。 テーブルの上で踊ったり、パーティー会場で服を脱ぎだしたり、友人の時計をふざけ…

サルトルとカミュ 決別した二人の ”実存主義" 哲学者の主張はどう違ったのか?

ジャン=ポール・サルトルとアルベール・カミュ。20世紀のフランス文学・哲学を代表するこの二人は、カミュの『反抗的人間』の発表を機に主張を対立させ、別々の道に進んで行くことになる。 では彼らの主張は、どのような違いがあったのだろうか。 // Sam Dr…

自己管理にとりつかれたトルストイの「10のルール」

【自分の中の悪魔と戦うトルストイ】 トルストイはベンジャミン・フランクリンが自伝に書き記したいわゆる「十三徳」に触発され、自分が生きる上で必要とする無数のルールをつくり出した。 その中には、たとえば「10時にベッドに入り5時に起きる」「2時間以…

ディケンズが残したジャーナリズムの仕事

2017年5月10日の産経ニュースで、ロンドンにある「チャールズ・ディケンズ博物館」で開催されている特別展について紹介されていた。 www.sankei.com 小説家であるディケンズとは別の、記者としてのディケンズに焦点をあてた展覧会。 イギリスの新聞「The Gua…